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2020.03.10
ハプニングは学び

2月の中旬少し遠くで子どもが何やら相談をしている姿があります。「先生大変!来て!」とその子ども達が呼ぶので側へ行くと木の枝にボールが引っかかり取れなくなっていました。自分たちなりにいろいろ試そうとしていた様子ですがどうしても取れずに困ったようです。子どものハプニングを学びに変えるにはすぐに解決せずに考えさせた方が意味があります。「どうして引っかかったの?」と聞くと「○○君がダメって言うのにボールを高く蹴り上げちゃうんだ」「○○君は?」と聞くと「あっち」とみんな一斉に遠くを指さします。悪かったなと思っているようで遠くからこちらの様子を伺っています。「呼んできてくれるかな」とみんなが揃ったところで一緒に考えます。「う~ん、これは確かに難しそうね、届かないし...何かで下から押せば落ちるかも」というと棒を探したりしますが、いい長さの棒がありません。「下からボールをぶつける方法もあるね」というと「知ってる、あるよ」と公園に備えてある小さなスポンジボールを持ってきてぶつけます。「これじゃあ柔らかすぎるかも」と声を掛け「いいものがあるよ」とお散歩バッグの中のクッションボールを取りに行きます。「これ、下からうまくぶつけられるかな?」と言うと一人の子が「僕出来る」と狙いを定めます。かなり枝が入り組んでいたので1回では無理かなと思っていましたが、なんと命中。みんなから「すご~い」と称賛。ボールが引っかかったハプニングも忘れて凄い凄いとかわいい武勇伝の1場面になりました。

子どもの学びはここからです。前に学んだことが生かされていくかどうかです。

別の日、今度は砂場の上のネットにボールがあがってしまいました。子どもの身長から考えると相当の高さです。すると、年長の男の子が僕の出番と「任せて」とこの間のクッションボールを取りに行き狙いを定めます。何度も投げますがなかなか命中しません。目的に集中している子は何度失敗しても成功する迄ねをあげない所もモンテッソーリで育っている特徴かもしれません。はじめは砂場で遊んでいた小さい組さんも応援しようと上を見上げていましたが、なかなか取れないので自分の遊びに順次戻っていく姿も面白いです。年長の他の子が「僕にも貸してよ」と言う中、絶対僕が取ると気持ちが入ります。そして何回目だったか、「あたった」とみんな、でも動いただけで取れません、「力が足りないんだ、よ~し今度こそ」と狙いを定めて......見事拍手喝采。

子どもの学びはハプニングからと本当に思います。誰かに助けてもらったり褒めてもらう事ではなく、自分の力でその場面を乗り越えていく事に喜びを感じていきます。こんな場面を目にすると、子どもは答えを知りたいのではなく、その方法を知る事で育っていくのだといつも本当に思います。

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