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2018.05.17保育だより
5月 保育だより

今年の5月は初夏の気候です。ゴールデンウィーク明けに一気に気温が上がり、子ども達は「暑い暑い」「水筒のお茶なくなっちゃった」「今日は半袖の洋服着てきたよ」と自然の変化に感じ方もそれぞれです。春休み中にプランターに植えた夏野菜もぐんぐん大きくなって子どもの胸のあたりまで伸びてきました。「もう実がなるかな?」とあわてんぼうのの子ども達はワクワクですが、私が「まだまだ」と言うと「なんで~もっと大きくなってから?」「どれくらい?」「お空に届いちゃうくらい?」「宇宙まで届くよ」と極端な発想もとても子どもらしいなと笑顔になります。「ほんとね、空に届いちゃうかもよ」と返すと「そんなわけないでしょ」と突っ込みを入れるところも関西の子だなと笑えるところです。

登園した子ども達がお庭で遊んでいる5月も中旬のそんなある朝、だんごむしを手に乗せた子どもの手の上でだんごむしの赤ちゃんが生まれました。こんな偶然!!子ども達への素敵なご褒美!!送り迎えのお母様方も次から次へと登園する子ども達も朝のご用意なんかわすれた~~という勢いでだんごむしの赤ちゃんに夢中です。門当番の先生が、「ダンゴムシの赤ちゃんで朝のご用意が全然進まないですけど、これって声かけなくていいですよね」と笑顔で確認の連絡をしに来てくれました。流石はモンテッソーリの免許を持った先生です!「さすが!!神対応~!」と私も絶賛します。今、この瞬間、子どもの興味と探求心とこんな偶然の神様からの贈り物を邪魔することほどもったいない事はありません。

さて、私は朝の会をどうしようか?お庭の子ども達にどのタイミングでお部屋に入りますよ~と声を掛けようかと迷っていました。さちでは子どもの熱中症対策、感染症の予防に保育時間内で水分補給する時間を決めています。朝の会が始まる前、公園に行く前、食事の時間、必ず1日3回水分補給のチェックをしています。なので、もうしばらく様子を見ようと部屋にいる子にだけ「お茶を飲みましょう」と声をかけました。すると、外にいた年長組の女の子が「お茶飲むんだって、お部屋に入る時間だよ」と自分たちで気づき、手に乗せたダンゴムシの赤ちゃんを土の上に返してお部屋に入ってきました。

小さな命と向き合った子ども達は、かわいいねとか、不思議だねとか、すごいねとか、喜びや驚きをみんなで共有して心が満たされたのでしょう。お仕事で達成感を得た時のように自分のあるべき姿、態度の所へ悠々と帰ってくる姿がありました。

子どもの精神にとって大切な場面を一緒に大切と思える心を、大人も忘れずにいてほしいと思います。

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2018.04.17保育だより
4月 保育だより

新年度が始まりました。子ども達は登園してから荷物のおき場所が変わる事や、新しいバッチやノートをもらう事などの具体的な変化を通して自分が大きくなったことを実感していきます。初日のお迎えの時間、お母さんに「名札の色が変わったよ~」「うさぎさんになれたよ~」と嬉しそうに報告する姿が毎年の恒例の姿です。卒園したお兄さんお姉さんがいない少し寂しい教室の雰囲気の中で、「小さいお友達は?来る?」と声が出ます。さちでは、入園式前に午前保育へ数回参加してもらう慣らし保育をしています。だから、在園の子ども達は新しいお友達を何度か見て知っていますので「明日が入園式だからみんなで小さいお友達にいろいろ教えてあげようね」と言うと「知ってるよ○○ちゃんも来るでしょ、△△君も来るでしょ」と元気な返事が返ってきます。

新入園児さんの保育も入園式の次の日から始まりました。自然に靴を脱いでお部屋に入っていく子や、「ママ~」と泣く子と色々でしたが帰りの時はみんな笑顔です。自分の好きなお仕事をちゃんと自分で持ってきて、終わったら片付ける、入園2日目にして見事な生活ぶりに入園前にプレクラスに参加して頂く事の積み重ねの大きさを改めて実感します。朝のお歌の時間、じゃんけん列車をしてみました。お兄さんたちに「速く走ると小さい子が転ぶからゆっくり電車で出発して下さい」とお願いすると電車につながる新入園児さんがとても自然でかわいい1場面となりました。

また、今年は桜があっという間に咲き終わりました。春休み中の預かり保育のある朝、一人の子がひろった桜の花をみんなに見せようと台の上に置きました。次の日、違う子も持ってきて台に置きました。後から登園した前日さくらを拾ってきた子が、「アッ私の桜」と駆け寄りカップの中に入れようとします。私は「まって、それは○○くんが持ってきたさくらだから置いといてあげようか」と言うと「違うよ、私のだよ」と言います。その隣に置いてある、枯れた桜の花を指さし「これが昨日持ってきた貴方の桜よ」と紹介すると枯れてしまった桜を見て「1日でこんなに変わっちゃうんだ」と少し寂しそう。そんな小さな自然の変化が子ども達に命の大切さを教えてくれます。

春休みの預かり保育では数名の子ども達が登園しています。公園に遊びに行くと桜の花がそのままの形で落ちています。なにやら一生懸命すな場と桜の木の下を往復している子ども達、「先生きて~」と呼ぶので行ってみると沢山のお花ケーキが並んでいます。「素敵なケーキがいっぱいだね」と声こえをかけると「これぜ~んぶ、みんなで力を合わせて作ったのよ」と胸を張ります。「桜の木の下ではお花見するんでしょ、知ってるよ」「私したことある~」「私したことない~」と話が盛り上がります。そこで次の日、「みんなに相談があるんだけど。今日はいい天気だからお弁当持って公園でお花見弁当する?」と言うと「やった~」と満場一致で決定。お弁当をもってミニミニピクニックへお出かけです。

「先に遊ぶ?先にお弁当食べる?」と子ども同士で相談しながら歩きます。そんな会話を聞き流しながら公園に到着。時間も丁度12時だったので「手を洗って先にお弁当を食べるよ」と声をかけると「やっぱり~そうと思った」と子ども達。さっきの会話は??時間軸ちゃんと分かっていたのかとコミュニケーションの楽しみ方も知っています。ブルーシートに座って上を見上げた子ども達「わ~綺麗」「桜の下で食べるとおいしいね」「ありがのぼってきた~」と感想はそれぞれでしたが、食後も沢山遊んだ1日となりました。

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2018.03.16
卒園式

今年も1年が終りました。

卒園する子ども達は最後のひと月間、昔を思い出すように小さい子のお仕事をよく触ります。そういえば小さい時にそのお仕事よくやっていたなとか、今まで触ったことなかったのに珍しいもの選んでいるななどの姿を見ると、改めて本当に好きなお仕事だったんだとか、興味が出てきたのかなとか、その子の思いを考えたりします。昔はこぼしながらしていたゴマすりも「先生一粒もこぼれてないでしょ」と自慢しています。そんな一つ一つの確かな自信が子どもの心を育ててくれます。

卒園式当日は毎年恒例の茶話会です。

3年間手作り弁当だった最後の日は、お母様方が1品づつ持ち寄って手作りバイキングでお別れ会をします。この日の事は子ども達が大きくなってもいつまでも覚えています。同窓会では何年生になっても料理実習と茶話会の話が出てきます。卒園式より茶話会の印象の方が強いのも複雑なところはあるのですが(笑)お母様方の愛情を子ども達なりに大きく感じる1日だからこそ強く印象に残る日となるんだなと毎年感じます。今年も沢山の愛情のこもったお料理が並びました。本当にありがとうございます!

新1年生になる子ども達、進級してあたらしい名札をつけることにドキドキしている在園のお友達、4月からの成長が今から楽しみです。

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2018.01.21日々のこと

新学期が始まって少しした頃、今季一番の寒波がやってきました。朝の登園時間に「寒い寒い」とお部屋に駆け込む子ども達は「見て~」と手袋の見せあいっこをしたり、「先生、手さわってごらん」と冷たい手を私のほっぺにくっつけたりしてきます。「わ~ほんとにつめた~い」と私が言うと『寒い日は手が冷たくなる』という科学を発見した子ども達はどや顔で胸をはります。このように、大人にとっては当たり前の現象も子ども達は『不思議・発見・学び』として捉えていきます。

私たち大人は子どもに何かを教える時に、『間違えないように』『困らないように』『要領よく最短で覚えられるように』と、言葉で知識を伝えていきます。そして、同じことを間違えたり、聞いたことを忘れていたり、伝えても伝えてもなかなか伝わらないことに対して「前も言ったでしょ」「何回間違えるの」とイライラしたりします。しかし、子どもの学びには「動きながら獲得する」「繰り返し定着させる」というモンテッソーリが発見した法則があります。

子どもが目を輝かせながら何かの報告にきた時は、側にいる大人がほんの少し子どもの心に寄り添いながら子どもが感じた自然の不思議を①一緒に驚いたり、②一緒に考えたり、③一緒に調べたりしながら答えを与えず心の動きに注目するようにします。子どもの疑問をその時に解決させるのではなく、「なんでかな?不思議だね」と答えを先送りにするようにします。すると子どもは今ある自分の知恵を引っ張り出し「だって冬だもん」「風が冷たいから」など自分の思考を巡らせていきます。お友達と「そうだよ、違うよ」とコントのようなやり取りが始まったりします。そんな時、「○○だからでしょ」と答えを伝えてしまうと「なんで?」と子どもは答えの中に含まれている次の疑問を聞いてきます。それに答えると次の「なんで?」が帰ってきて、子どものなんで攻撃は続き、とうとう答えに詰まってしまいます。

子どもたちにとって大切な事は『自分の心に正直に聞く事』『考える事を楽しむこと』と私は思っています。答を与えすぎると答を知りたい子が育ちます。子どもの不思議に寄り添うと考える事を楽しむ子が育ちます。考えることが好きになった子は答を探そうとする子になります。幼児期は子どもの探求心を大切にする時期です。自分で答えを探そうとする子どもになってくれるよう、私は自然の小さな変化に気づき、心が動いている子どもの姿をいつも大切に見守ります。

北風が緩んだある日、公園では今縄跳びがブームです。公園に着くと「先生まわして~」と長縄を跳んだり、前とびを練習する子どもの姿があります。あんまり一生懸命頑張るのでなわとびカードを作りました。ある日、通算200回まで跳んでいた子が「1000回まで飛ぶ」と目標を決めました。縄が引っかかった続きから数えながらですが、何度も何度も跳びます。途中「つかれた~」とベンチに横たえるその子に「明日また続きにする?」と聞くと「嫌だ」と想定通りの答えが返ってきます。縄を回す私の右手も限界に近づいていましたが、その目標を達成することがその子にとって大きな学びになることを知っている私は最後まで付き合うと決めていました。結局45分かけて1000回まで達成することが出来ました。「疲れた~」という表情は笑顔でいっぱいです。

何かを成し遂げるための姿勢は、自分で選んだ目標に対してのみ現れます。モンテッソーリが発見した活動のサイクル『自己選択→繰り返す→集中する→達成感をもって終わる』が公園遊びのこんな一場面にも表れます。

私たちは『どれが集中現象を引き起こす子どもの選択なのか』を見逃さないように日々の子どもの様子を観察します。その選択は大人の思いと違う事がほとんどです。大人の思いが子どもの心を超えないように、子どもの思いに大人が寄り添う事によって更に大きくまた強くなるように、子どもの選択を正しく読み取る心を大切にしたいと思います。

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2017.12.01
線上歩行のお仕事って何?

白い線の上を落ちないようにゆっくりと歩くお仕事でモンテッソーリ教育の中で心を育てるための代表的なお仕事のひとつです。

子どもは縁石の上を歩いたり不安定な所へ登ったりします。これは体のバランスをとるのが面白いからです。縁石は大体が車道側ですのでお母さんは「危ないでしょ、止めなさい」と止めたりしますよね。でもこんな行動が見られたら、子どもがバランスをとりたがっているのだなと受け止め、階段を上り下りしたり、広い公園で不安定な足場を歩く事に付き合ってあげてほしいと思います

小さな子どもたちはじっとしていません。それは、「動きの敏感期」といって、身体の様々な感覚を洗練させるために身体を使う事、動く事に興味のある時期だからです。仮に身体を使っている時につまづいたり転んだりしますが、このヒヤッとする感覚や傷みが子どもの大切な学びになります。小さな動き小さな身体で転ぶとき危なっかしいように見えて意外と子ども達は自分の力量を超える行動はしないものです。子どもは生まれながらにして「怖い」という感覚を持って生まれてきますので危ない事を自ら避ける傾向があります。しかし、年齢が小さい場合は大人が注意を払う必要がありますし、たまに危険に対する意識が薄い子どももいますので、その場合は性格や動き方の特徴を知って安全をこちらが徹底して守ることも大切です。また、見守ることが辛くついつい子どもの動きを制限してしまうお母様の気持ちなどがあり、動く事の経験不足から身体がなかなか育ちにくい部分もあります。

今の子ども達に不足している力は予測する力であると私は思っています。自分の体験からこれは危ない、ここは危険、これはしてはいけない、と体験から学ぶためには子ども自信が自分の身体を使い経験を重ねる必要があります。今は、子どもが十分に体を動かせる環境が少なくなってきています。整備されすぎた現代社会ゆえの学びにくさもあるのだと思います。

この線上歩行は、子ども達が身体を使ってきた後に動きの整理と心の整理をするための物です。

朝登園してきた子ども達はお友達とあいさつを交わし、「昨日は楽しかったね」「今日も一緒に遊ぼう」「きのう○○の楽しい事したよ~」など興奮状態です。朝の集会の後、お仕事の時間に入る前にこの『線上歩行』の時間をとりますが、先日の保育参観日が終った後にお母様の感想として「線の上を歩いた後、子どもが静かにお仕事に入っていくのにびっくりしました」というご感想を頂きました。また、お母様にも体験して歩いて頂くのですが「自分が歩いてみてよくわかりました、意外と難しいんですね」とのご感想もありました。

子どもにとっては大きい動きや早くする事は楽しく簡単で、小さい動きやゆっくりする事じっとする事はとても難しいのです。動きを制御する事は心の制御につながり、動きのバランスをとることは心のバランスをとることにつながります。安全は側にいる大人が守り、子どもが使いたい身体や動きが心ゆくまで出来るような環境を守っていけたら身のこなしが上手な子どもになるはずです。小さな飛び石をたどって歩いたり、線を見つけてその上を歩いたり、何かにじっと見入って止まっている子どもの態度をどうか大切なものとして見守ってあげて欲しいと思います。

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2017.11.05
Jアラート避難訓練

西宮市で11月1日の11時11分に南海トラフ地震を想定した「津波一斉避難訓練」が行われました。さちでもこの訓練に自主的に参加しました。

朝から子ども達には「今日は避難訓練をするけれどもいつもの訓練とは違います」「スピーカーから声が流れたり、サイレンの音が聞こえてくるからびっくりしないでね」と話を始めます。「避難訓練って何をする事?」と聞くと「逃げる事」「津波が来る事」など子ども達の声が出てきます。いつもはどのような設定でどんな訓練をするのか前もって子どもに伝えていますがこの日はどんな訓練か先生も分からないからと、大事な事は①先生の指示を聞き逃さない事②先生の声が聞こえる様にみんなはおしゃべりしない事③勝手に行動しない事の、この3点を子どもに伝えました。

8月に西宮市から『緊急告示ラジオ』が配布されていたので保育室には放送の声や、サイレンが明確に聞こえてきます。さて、その時間が来ました。放送と同時にお仕事をしている子ども達の手は止まり地震を知らせる言葉に子ども達のとった行動は机の下に隠れる事、お部屋の真ん中に集まる事、いつも練習している通りに机の下に丸くなって隠れる様子は見事でした。引き続き、「津波の恐れあり、避難行動を...」の放送に「足を怪我しないように絨毯の上を歩いて逃げるよ」とそのまま高木センターの3階(最上階)まで歩いて避難する練習もしました。高木センターの3階では合唱をしている声が聞こえてきていましたが、子どもたちはとても速やかに行動できました。

訓練の日は水曜日でしたので小さい学年のお友達はいませんでしたが、「小さいお友達がいる時はみんながしっかり手をつないで連れてきてあげてね」と声をかけると、「そんなの当たり前~」「分かってるよ~」と頼もしい声が返ってきました。「それじゃあ今日の訓練は終ります」とさちの教室に戻ってきた時、お部屋に順番に入室した子どもの様子がいつもと違います。私が部屋に戻ると子ども達は逃げる時に歩いた絨毯の上に集まってじっとしています。どうやら、「足を怪我しちゃいけないから、地震の時は絨毯の上を歩くよ」と言った私の言葉が子ども達の心に残っていて、まだそれを守ってくれていたようです。子ども達にとっては少しドキドキした避難訓練がお部屋を飛び出したままの空気感に緊張感がよみがえってきたようで、子どもの心に印象を残す部分は大人の考えている所とは違うんだなと改めて子どもの姿から学ぶことができました。

昼食を食べる頃には「避難訓練楽しかった~」とこけそうになるような感想を耳にしながら、もしもの時の訓練はやはり日頃から意識を高く持つことが大事だなと感じる1日となりました。

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2017.08.31日々のこと
野菜の収穫

日差しが肌に突き刺さるような暑さになった7月、お庭の夏野菜が子どもの背丈より大きくなって沢山の実をつけました。できた野菜は大きい組さんから順番に収穫して持って帰れます。それを見ている他の子ども達は必ず「僕も取りたい」「私も持って帰る」と言います。ご家庭でこんな時、普通なら「お兄ちゃんなんだから我慢して先に妹に譲ってあげなさい」などの声をかける親御さんも多いと思います。でも、私は決してそのセリフは言いません。笑顔で「お兄さんお姉さんから順番ね!」と答えます。何故なら、子どもはみんな待てるように生まれてくるからです。

異年齢の縦割りで保育をするのがひとつの特色であるモンテッソーリ教育では、保育室の中に対象年齢の違う教具が豊富に並んでいます。3歳児の子の側に5歳6歳の子が使う教材が並んでいます。小さい組さんはお姉さんが作っている機織り機を見て「私も作る」お兄さんたちがしている算数のお仕事を見て「僕もする」と言います。でも、それは3歳の子が出来る教材ではありません。目的が理解できる年齢になるまでそれが出来るだけの思考や手先の巧緻性(こうちせい)が整うまで私たちは待たせます。

野菜の収穫を待たせることも、触りたい教材を待たせることもそこには深い意味があります。待たされている間に①それがその子にとって特別なものに変わっていきます。②自分が出来ない物(事)を使って(行って)いるお兄さんたちに憧れを抱くようになります。③自分の順番が来た時に大切に扱うようになります。

今収穫している大きい組さんも順番を待っていた過去があり「今年は自分たちから持って帰るはずだ」と3年間心待ちにした大事な気持ちがあります。そんな思いをした子ども達が野菜を収穫する時は、どれにしようかとなかなかハサミを入れられず、持って帰る1本(個)を大事に選ぶ姿があります。ハサミを入れる時も他の枝を一緒に切らないように注意を払います。大切な事柄を大切に扱う精神が教えることなく自然に身につきます。

小さい子の興味はそこにトマトがあったら「採りたい」という欲求だけです。だから、撮った後は誰かにあげたり、置いて忘れて帰ったりします。しかし、小さい子でも待ちわびて収穫した野菜は大切に持って帰ってくれます。子どもの周りにある自然の環境も、ほんの少し大人が配慮したり、時期を見極めたりすることで子どもの心が育まれていくのです。

7月の料理実習は『夏野菜のぶっかけそうめん』。自分で育てた野菜たちを、自分たちの手で収穫し、料理し、盛り付け、お友達にふるまい、自分でも食べます。そんなお素麺の味はもちろん「おいしかった~」「おかわり~」の声がいっぱい。試食に用意していた保護者の方の分までお替わりで完食してしまいました。

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2017.08.07保育だより
7月の保育だより

ある朝、「先生~大変だ~きてきて~!」とお庭から子どもの呼ぶ声が。何かと駆けつけてみると地面を這っている虫がいます。子ども達は「青虫だ!どこから来たんだろう?」「早く取ってあげないと踏まれちゃうよ~」と大騒ぎです。実はさちのお庭には背丈80㎝程のミカンの木があります。見ると他にも青虫がいて、ミカンの葉は食べつくされています。

青虫を手に乗せてから「みんなちょっと来てごらん」とその木の存在を子どもに伝えます。いつもは柵がしてある場所なので「え~そこは入っちゃいけないんだよ~」と子ども。「そうなんだけど、今日は特別ね」と答えます。「ここにミカンの木があって蝶のお母さんがきっと卵を産んだのね。でも他にも青虫がいっぱいだよね」「ほんとだ~それで葉っぱも全然ない!」と子ども。「きっと新しいはっぱを探しに歩いていたんだね」というと「そっか~じゃあ早く葉っぱに乗せてあげなきゃ」と子ども。

青虫を私から受け取った子は「どこに置いてあげようか」他の子も「こっちに置こうよ」「ダメだよ此処がいいよ」と一つの場所がみつかります。そこで私が「その葉っぱも素敵なんだけど、青虫さんの食べられる葉っぱは決まっていて他の葉っぱじゃダメなのね」というとすぐさま「どんな葉っぱ?」と聞き返します。「ミカンの葉が好きかな?」というと「さちにはないよね。どうする?」「あっ!公園にあったよね」「そうだ、○○公園にあった」「先生今から取りに行こう」とどんどん話が進んでいきます。そんな子ども達に「ごめんね!今は公園に行く時間じゃないの。だけど、裏の駐車場にミカンの木が1本あるからそれを取ってきて蝶になるまでみんなで育ててみない?」と言ってみました。「やってみる~」と子ども達。自分の知識をフルに働かせて今の疑問や問題点に向き合う子どもの姿はキラキラしています。

こんな時でも大体の大人は「青虫が食べる葉っぱはミカンの葉に決まってるだろ」とか「あそこにミカンの木があるから取りに行こう」など最短の答えを言いがちです。そうすると子どもの返事は「そうだね」で止まってしまい、次のセリフは「○○してよ」と依存的になります。答をもらった子どもはそれ以上考える必要がなくなるからです。子どもが何かの課題に向き合い意見を大人に求めてきた時、私は子ども達の考える余地を残した疑問を投げかけるような返事をしたいなといつも思います。この年齢の子ども達はそれが正しいか正しくないかと言う事よりも自分の知識を使って思考をめぐらすことに喜びを感じます。それぞれが根拠のない自信を振りかざしながら意見交換する姿はコントのように愉快で楽しそうです。

さて、青虫の観察が始まりました。食べている葉がどんどん小さくなる様子や採ってきた葉っぱをあっという間に食べつくす速さに驚いたり、「ウンコがいっぱい落ちてる~」と喜んだり、2時間くらいしか経っていないのに「ちょっと大きくなったかな?」と納得したり、観察ケースの前は子どもの垣根が込み合っています。次の日もまた、青虫が歩いていたので「先生この子も一緒に育てよう」と最終的には4匹の青虫を育てることになりました。

ある日、「先生、この青虫動かないよ」と心配する子に「多分さなぎになるのかな?触っちゃだめよ、ケースをたたくのも駄目」と伝えた次の日、「わ~さなぎになってる」と子ども。他の青虫も動きが止まってきたら「もうすぐさなぎになるんだよ、触っちゃダメ」と私に言われたことを他の子に伝えています。全ての青虫がさなぎになりました。3日、5日待てども待てども羽化しません。そのうちに子ども達はケースを見に来なくなりました。

さなぎの存在を忘れかけてきたある日、「先生~蝶になってる~」と子どもの声。「やった~逃がしてあげようよ」と最初に見つけた子どもが言うので「みんなで育てた青虫だからみんなで一緒に逃がしたいな」と提案します。すると、「そうだね!」ど同意する子ども達。その日1日じっくり観察してからみんなが帰る時間に蝶々ともサヨナラの儀式をしました。「げんきでね~」と手を振る子どもの瞳はやっぱりキラキラしています。小さなケースから大空へ飛び立つ蝶に「良かったね」と声をかける子もいます。そんな毎日を送っていたある日、公園遊びで蝶を捕まえ虫かごに入れて喜んでいる子ども達がいました。「帰りますよ」と声をかけ集まった子どもの虫かごの中に、もう蝶はいません。「あれ?せっかく捕まえたのに逃がしてあげたの?」と聞くと「うん!だって大きいお空の方がちょうちょさんもうれしいから」と笑顔の子ども。生き物を飼育することの大切さを改めて実感する日となりました。

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2017.07.02
6月 保育だより

6月になると新入園児の子ども達も生活のリズムが安定してきます。周りを見る余裕が出てくるので、同じ空間にいるお友達へ興味が出始めます。色々なお友達の名前が子どもから聞こえてくると、どの子が誰に対して興味があるのかが分かりますし、お友達への興味が出てくると距離を縮めようと子どもの試行錯誤が始まります。

大人でも初めての人と交流を持つときはドキドキしますよね。そして、なんて声をかけようか?どんな話題がいいかな?と考えをめぐらすと思います。子どもの場合はまず、行動からアプローチします。近くに座る、体にタッチしてみる、その子の側に行きじーっと見る、などです。そうすると、「あっちへ行って」「見ないで」「たたかないで~」という風な状況になるんですね。アプローチする子はただお友達になりたいだけなのに、相手からは受け入れられず結果として「意地悪された~」と私の所へ言いに来ます。

大人はすぐに「仲良くしなさい」と言いますが、子どもだって人間関係を新しく構築するのはたやすい事ではありません。ただ待っているだけではお友達は来てくれないし、自分のしたい事ばかり主張してもお友達は受け入れてはくれません。相手の気持ちを知る、そしてお友達の意見に耳を傾けなければ仲良く遊べないんだと言う事を日々の関わりの中で経験を通して学んでいきます。

「あの子が嫌い」「あのこは意地悪」「あの子がたたく」など子どもの報告を聞くととても心配になると思います。現代の少子化ゆえに子ども同士の関わりに慣れていない子どもが多く、集団生活に入ってから1からそれを学ぶことになります。しかし、人格を形成するうえでこれらの体験はとても重要です。心配なことは迷わず聞きに来てください。正しい姿を知れば今、子ども達が何を頑張り、何を克服して、自分がどう成長するべきかの心の勉強をしている事が理解できるはずです。

子どもの心が豊かになる様に、自分勝手で無く、相手の身になって考えていくことのできる子になる様に、お友達の中で沢山の困難に出会ってほしいと思います。そして、その困難を子ども達と話し合いながら、解決しながら、心を育てていきたいと思います。

また、6月は避難訓練をしました。今回の設定は火事!「毒煙を吸い込まないように、気管熱傷しないように火事の時はハンカチで口と鼻をふさいで逃げるよ」と事前に話をしてからの練習。とっても上手に行動できました。

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2017.05.28保育だより
5月 保育だより

子どもが一つの事柄を覚える場合は大人と違い1回経験しただけでは覚えられません。同じ事柄を何度も繰り返すことで習慣として定着していきます。年度の初めは今日よりも明日、明日よりも明後日というように日々子どもの成長が変化として目に見えて感じる事の出来る時期です。覚えていくこと、出来る様になることが子ども達の自信を持って行動する姿に変わっていきます。「絵本袋はここでしょ」「今日のシールはここだよね」と5月は子ども達の覚えたよアピールがいっぱいでした。

そんな中、いつも遊ばせてもらう地域の公園で花壇の花の植え替えがありお手伝いをさせて頂く事になりました。プランターに穴を掘り、肥料を入れて花の苗を植えます。一人2株づつ植えさせてもらって植えた後はじょうろで水やりします。同じころ、丁度さちのお庭にも夏野菜の苗を子ども達と一緒に植えました。自分の手で植えた花や苗は子ども達にとって特別なものになります。植えたばっかりの小さな苗に「まだ花さかないの?」と首をかしげたり、「あっ少し大きくなってる」「花が咲いたよ」「今日水あげるのわすれてた~~」など、自分の手を使って経験した事は子どもの心に響く事柄となり、その行為を通して心が動き始めます。

子どもにメッセージを伝えているのになかなか伝わらないな...と思う事はありませんか?そんな時は思い切って体験させてみましょう。幼児期の子ども達は『動きながら学ぶ』という特性があります。手を動かしながら学んだことは子どもの心に残ります。

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