ブログ

2018.12.01
おかたづけ

2歳半を過ぎてくるとお片付けが出来るようになってきます。プレクラスが始められる年齢になると、さちでは小さな年齢から自分のすることに責任を持たせていきます。おしごとをさせようとする時に、大人は先入観から『これは子どもにはできないだろう』と決めつけて準備をしすぎてしまいます。しかし、実は子どもはなんでも出来るように育っていて、何もかも理解できる力があり、教えてもらうのを待っているのです。知っていることは①自分でやりたい!とおもっているし、どうやったら自分のしたいことが出来るようになるのか②教えてほしい!と思っています。自分がしたいものは自分で取りに行き、使ったものは元の場所まで戻しに行く、初めから終わりまでをその子一人で終わらせることが出来るように環境を整えることが大切です。そういったお仕事を繰り返していくと、子ども達はどんなお手伝いにも興味を示します。今している事は必ず何処かとつながっているからです。おしごとの一つ一つがその次のお仕事へ繋がっているからです。

自分のすることに責任を持たせる為には、子どもの「分からない」「難しい」を正しく知り、分からないものは分かるように工夫する、難しいものは難易度を下げて提供するなどの大人の配慮が必要になります。子どもにしてあげられることをするのではなく、子どもが必要としていることを整えることが大切です。しかし、これがなんと難しい事でしょう。子どもの心と大人の心は違うので、子どもを正しく知るためには自分のしてほしい事をしてくれない子どもに注意するのではなく、子どもが何を求めているのか感じ取らなければいけないのです。いかんせん、子どもは大人のしてほしくない事をし、大人のしてほしい事をしてくれないものです。そんな時でもその子が今『何に対してときめいているのか』『興味はどこにあるのか』を読み取っていくと、その子の内面が見えてきます。子どもの成長のサポートは大人からの一方通行でなく、子どもの興味に沿ったものが理想であってほしいと思います。

ある朝、夏野菜を植えていたプランターを片付けていました。子どもが「何してるの?」と興味津々、「トマトやキュウリができる夏が終わったからお片付けをしているのよ」というと「手伝う」と言います。枯れてしまったトマトの枝を切り落とすと、公園の枝を折ったりしてはいけないと教えてもらっている子どもは「ダメだよ~」と言います。そこで、このまま枝を置いておいていてもトマトは収穫できない事、来年の夏に新しい苗を植えるため、土を入れ替えることなどを伝えます。「そうか!分かった!」と一緒に枝を切り、根を引き抜き雑草も抜いていきます。「次のトマトは明日植えるの?」と尋ねるところが年中組らしいなとつい笑みがこぼれてしまう私ですが、外にこぼれた土を私が掃除していると「それも手伝う」と私のほうきも受け取りに来ます。私は「お願いします」と声をかけて見守るだけです。

このように、一つの事柄でも意味を伝え説明していくと自分のしている事に意味があることを学びます。5歳ごろになってくるとお庭で遊ぶことよりも役割分担を担う事の方が楽しくなってくるのです。反対側の植え込みでダンゴムシを探すお友達にわき目もふらず使命感に燃えた子どもの表情は生き生きとしてきます。側にいる子も「ずる~い、僕もしたい」と順番を待ちます。こんな素敵な使命を譲るものかと「まだ終わってない」と掃除します。「早く変わってよ」と言わずに辛抱強く待つ子どもの精神も頼もしいものです。お部屋に入る時間になったころ「先生できたよ~」と笑顔の子ども達に「ありがとう」とほうきを受け取りました。そして、私は子どもの入室を確かめてから取り切れていない土や葉っぱをそっと拾い集めました

プランターの片付け.jpg

© Sachi Childhome All Right Reserved.

Page Top