ブログ

2017.08.31日々のこと
野菜の収穫

日差しが肌に突き刺さるような暑さになった7月、お庭の夏野菜が子どもの背丈より大きくなって沢山の実をつけました。できた野菜は大きい組さんから順番に収穫して持って帰れます。それを見ている他の子ども達は必ず「僕も取りたい」「私も持って帰る」と言います。ご家庭でこんな時、普通なら「お兄ちゃんなんだから我慢して先に妹に譲ってあげなさい」などの声をかける親御さんも多いと思います。でも、私は決してそのセリフは言いません。笑顔で「お兄さんお姉さんから順番ね!」と答えます。何故なら、子どもはみんな待てるように生まれてくるからです。

異年齢の縦割りで保育をするのがひとつの特色であるモンテッソーリ教育では、保育室の中に対象年齢の違う教具が豊富に並んでいます。3歳児の子の側に5歳6歳の子が使う教材が並んでいます。小さい組さんはお姉さんが作っている機織り機を見て「私も作る」お兄さんたちがしている算数のお仕事を見て「僕もする」と言います。でも、それは3歳の子が出来る教材ではありません。目的が理解できる年齢になるまでそれが出来るだけの思考や手先の巧緻性(こうちせい)が整うまで私たちは待たせます。

野菜の収穫を待たせることも、触りたい教材を待たせることもそこには深い意味があります。待たされている間に①それがその子にとって特別なものに変わっていきます。②自分が出来ない物(事)を使って(行って)いるお兄さんたちに憧れを抱くようになります。③自分の順番が来た時に大切に扱うようになります。

今収穫している大きい組さんも順番を待っていた過去があり「今年は自分たちから持って帰るはずだ」と3年間心待ちにした大事な気持ちがあります。そんな思いをした子ども達が野菜を収穫する時は、どれにしようかとなかなかハサミを入れられず、持って帰る1本(個)を大事に選ぶ姿があります。ハサミを入れる時も他の枝を一緒に切らないように注意を払います。大切な事柄を大切に扱う精神が教えることなく自然に身につきます。

小さい子の興味はそこにトマトがあったら「採りたい」という欲求だけです。だから、撮った後は誰かにあげたり、置いて忘れて帰ったりします。しかし、小さい子でも待ちわびて収穫した野菜は大切に持って帰ってくれます。子どもの周りにある自然の環境も、ほんの少し大人が配慮したり、時期を見極めたりすることで子どもの心が育まれていくのです。

7月の料理実習は『夏野菜のぶっかけそうめん』。自分で育てた野菜たちを、自分たちの手で収穫し、料理し、盛り付け、お友達にふるまい、自分でも食べます。そんなお素麺の味はもちろん「おいしかった~」「おかわり~」の声がいっぱい。試食に用意していた保護者の方の分までお替わりで完食してしまいました。

DSC07407 (2).JPG

DSC069950.JPGのサムネイル画像

© Sachi Childhome All Right Reserved.

Page Top