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2019.02.20
保育だより

3学期もあと1か月となりました。1年間の写真を整理していると4月にはまだ幼かった子どもの表情が凛とした表情に変わってきているのが分かります。お仕事に集中する子どもの表情はとても神聖で、1学年も2学年も上の学年に見間違えるほどです。「できません」「来てください」と言っていた子ども達が、教師の助けをかりずに机や絨毯に向かって集中する3学期は公園に行く用意をするための鈴を鳴らすタイミングが無いほどです。

年少組は日常のお仕事から感覚教育の教材を触り始めます。そして、算数の教材にも向き合い始めています。日常のお仕事をしっかりしてきた子ども達はいつの間にかそれらを扱えるだけの精神が育っていることに改めて感動します。年長組は卒園まであと1か月、世界地図のパズルやミニ国旗を白地図に置いていくお仕事や、算数の掛け算、引き算をドンドン進めていきます。やりたいお仕事がいっぱいありすぎて時間が全然足りないという感じです。年中組はお別れまでのわずかな時間、大好きなお兄さんの横でお仕事したくて誰が横に座るか席決めに思わぬ時間がかかります。そして、今度は自分達が引き継ぐお昼ご飯のお当番活動の練習もはじまりました。

3学期は何時もあっという間に時間が過ぎていきます。残りわずかな時間を充実したお仕事の時間にしていきたいと思います。

今月は少し前の10月の避難訓練の様子を、とてもかわいかったので遅ればせながらご報告します。

訓練日は雨でした。ちょうど小雨の天候だったので朝のお集りの時に「今日は地震とか津波じゃない避難訓練をするよ」とお話をしました。火事の時は火のない方向に逃げる事、不審者の時は見つからない方向に逃げる事、避難経路は入り口だけじゃない事、場面によってよく考えて行動することを伝えます。一番大事なことは①静かに話を聞くこと、②指示されたとおりに行動する事を伝えます。お話だけですが、子ども達に恐怖はしっかりと伝わっています。

次に、雨の時に歩いて移動する訓練の話をします。「雨の時は一つの傘の中に二人で入って一緒に歩きます」と言ってお部屋で傘をさして歩く練習をします。小さなお友達は「私はしないよ、お仕事するの!」と、お姉さんたちが練習する中いつも通りお仕事する子もいます。そして、近くの指定避難所まで本当に傘をさして歩いていく練習をしました。初めてなのにとても上手でびっくりします!前もって話をする、しっかりとイメージさせて、自分のとるべき行動を確認すると、初めての事でもとても上手にできます。普段から、お仕事を通して正しく動くこと、大切な事は何かを意識することを訓練できている子どもたちはさすがです。

そして、子どもたちはいつも通りのおしごとが始まりました。11時半を過ぎたころ...慣れた年長組は、先生の動きを察知して、そろそろ避難訓練かな?とさすがの読みを見せる子もいましたが、朝決めた合図をしっかり覚えていて上手に靴下のまま北側の避難経路から外に出る訓練も無事終わりました。「今日はなんか怖いお話だったよね」と汚れた靴下を履き替えながら会話をする子どもたちには半日ドキドキの訓練日だったようです。昼食を食べるころにはまた、いつもの生活の流れに戻りました。

 避難訓練.JPG雨の日訓練.png

2019.01.05モンテッソーリ教具
お仕事する「手」

子ども達は手を動かしたくてたまりません。気になるものがあれば触ってみたいし、落ちているものがあれば拾ってみたいし、使い方を知っているものがあれば使いたいと思っています。しかし、家庭の中の環境は大人の環境になっていて子どもが触ろうとすると<危ない・汚い・壊れる>などの理由で禁止されてしまいます。子どもの家の環境で子ども達が育つゆえんは、生活の全てが子どもを基準につくられているからです。

幼児期は『動きの敏感期』で、子どもは動きを通して様々な事柄を学んでいきます。言い変えれば『動かなければ学べない』という事です。まず、子どもが動く基本となる部分は自分ひとりの力で生活をおくるという事です。親子の様子を見ていると、お母さんは無意識に子どものお世話をしてしまいます。靴を脱ぐことも、服を着る事も、ドアを開け閉めすることも全て先回りして手を貸しています。愛情があるからこそ自然に行動してしまう大人の態度なのですが、手を使いたい子ども達なのに手を使うことを奪われてしまうのす。

私がお伝えしたいことは、『子ども達は大人が思っているより沢山の事を理解していて、もう何でもできるだけの力を備えている』という事です。ただ、どうやって動けば良いのか動き方が分からないだけなので、私たち大人の役割は子どもに手を貸すのではなく、こうすれば一人でできるよ!という『動きの方のお手本をやって見せる』だけでよいのです。

しかし、これは意識していないと非常に難しい事です。大人の動きは連続していて早すぎて、子どもには難しすぎます。子どもに見せるために動くという事は、私たちが意識をもって特別な動き方をしなければ、子どもも見て学ぶことはできません。相談に来られるお母さまから「動きは見せているのですが」とお聞きしますが、「では、やってみて下さい」とお願いすると、ほとんどの場合「その動き方では子どもは分からないですよ」とお伝えしなければいけなくなります。

動きを見せるポイントは沢山ありますが、大切な一つとして、空中で動かないという事があります。机の上、床の上などに置き、どこかに固定させて、からだの正面で見せることが大切です。さちの保育の様子でお伝えしてみましょう。

入園当初登園してきたAちゃん、朝のご用意で手拭きタオルをクリップに止めてドアへぶら下げます。お家でクリップの使い方を見て知っているので見よう見まねで片手ではさんでクリップの口を開こうとしますが握力がないので「出来ない~」と言います。そこで、私はクリップを床の上に固定させて手のひらでおさえて口をあける方法を見せます。出来ると思ったAちゃんは見よう見まねで挑戦します。すぐには出来ませんが何回か練習して「出来た!」と笑顔になりました。私も「上手ね!」と声を掛けます。次の日、タオルをカバンから出したAちゃんは、昨日のことをちゃんと覚えています。何も言わなくても床にクリップを置いて昨日の動きを再現します。何回も失敗しながら時間をかけて手を動かします。10分経ったでしょうか、「できた~」と笑顔でタオルを見せに来るAちゃんがいます。私はまた「上手ね!」と声を掛けます。このように、どうやって動けばよいかが分かった子どもは、大人に依存せずに自分で出来るまで頑張ろうとする姿を見せてくれます。

この時、そばにいる大人には忍耐が必要です。困っている子を助けたいと思ってつい、手出ししてしまうからです。子どもは困っているのではなく、楽しんでいるのです。この時間こそが子どもの心を育てる時間と意識して、大人は手伝わず、声をかけず、忍耐強く待たなければいけません。

双葉が伸びた野菜の苗、早く大きくなってと双葉を引っ張ると土から引き抜かれて育たなくなってしまいます。本葉が出るまでに時間が必要なように、子どもも何かを一つ習得するためにはくり返し練習する時間が必要です。お母さんが忍耐強く待つ時間がこどもの練習する時間となります。

クリップにタオルをはさむことを大人がすればほんの1秒でできてしまいます。しかし、手を動かしたい子どもの為に、その時間が子どもの心を育てる大切な教育であるという意識をもって、愛情を持って見守る事の出来る日常の時間がご家庭の中に沢山増えるといいなと思います。

タオル掛け1.jpgタオル掛け2.jpg

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